木かげ

市橋 杲潤

伸び伸びとした枝葉が、
大きいはずの空を小さく切りとります
ザラリとした木肌ばかりが目に映り
頭上を緑がフタをして
狭い世界に閉じ込められたような

ただ、そんな木かげは
厳しい暑さを和らげ、
涼しい風にあたれる場にもなります

なるべく早い、いつの日にか
今の辛さや苦しみが
自分や誰かの思いを和らげる力となりますように