小さな温もり

市橋 杲潤

暗く静まりかえった部屋に、頼りなさげに灯る一本のロウソク。
かよわく小さな炎に掌をかざすと、
凍えた手に、じんわり、しっかり、温もりが伝わってくる。

辛いときには、いつか眠った大きな背中を
寂しいときには、友との語らいを
苦しいときには、
「どうか、その苦しみが和らいでほしい」との祈りがあることを
思い浮かべてみてください。
眼には見えない小さな炎が
あなたの心に灯りますように