ひとぐすり

小川 有閑

あるご遺族が、おっしゃいました。

最愛の人を失った悲しみは、
時間が癒してくれることはありません。
『時薬』なんて嘘。

つづけて、こう教えてくれました。

今、こうして私が生きていられるのは、
泣いたり怒ったりしても受け止めてくれる人がいたから。
いわば『人薬』ね。

あなたの気持ち、私たちはしっかり受け止めたいと思います。