お寺に来る男の子

島田 絵加

たまにお寺に来る男の子、
髪は金色ズボンはズルズル、返事は「ウン」。
でもその子が出入りをする扉は、
一度も開けっ放しだったことがない。
ありがとうと声をかけると、ぼそっと
「ばあちゃんが、きちんと扉を閉めることは
心がゆるんでいない証拠だって言ってた」。
いのちは思い出とともに、
心の中にいつまでも生き続けるのですね。